財務相の資質

麻生財務相の一挙手一投足が脚光を浴びている。勿論良い意味ではない。佐川前国税長官の「適材だ」に始まり、福田事務次官の「セクハラはとるに足らない」を経て「経済成長を感じない人は、よほど運がなかったか、経営能力に難があるかだ」との発言が脚光ではなく逆光を浴びている。麻生は漫画ゴルゴ13の愛読者。と言うよりは「漫画の世界で生きている人物」なのだろう。佐川、福田の辞任は官僚の桁が外れているという問題だ。桁の外れた官僚を麻生が庇うのは、ヤクザの親分気質そのもの。たとえ仕事が出来たとしても、公文書改ざんやセクハラをすれば、それを咎め更迭するのがトップの仕事のはず。麻生はトップの仕事を遂行していないから、この時点で失格だ。更に重要でかつ酷いのは「経済成長を感じない人は、よほど運がなかった」という麻生の発言だ。市場調査によると国民の8割が景気回復を実感していない。経済指標は良くなってはいるが、民間企業の内部留保が増えただけ。また、景気回復に財務省は寄与していない。日銀の金融緩和が効いたに過ぎない。「経済成長を感じさせない麻生財務相は、よほど何もしなかったか、大臣能力に難があるかだ」と言えそうだ。更迭が目前に迫っている。