ペットボトルを分解する酵素

プラスチック片による海洋汚染が、鳥や魚の生態系に深刻な被害を与えているという。プラスチック自体には殆ど毒性は無いが、その多くは自然の力では分解することが難しく環境中に分散・残留するため、誤食により健康被害を与えることになる。ところが、ペットボトルを分子レベルにまで分解する酵素が研究過程で偶然生み出されたとのこと。日本のゴミの中から見つかった「プラスチックを食べるバクテリア」の研究を進める中で、偶然に突然変異によりペットボトルを分解する酵素を作り出してしまったとのこと。元のバクテリアの構造を調べるために強力なX線を照射していたら、突然変異でこの酵素を生成したようだ。つまり、結果として有効な酵素に改良したということだ。発見者はポーツマス大の研究チーム。現在世界では1分当たり100万本のペットボトルが作られている。リサイクルされているのは14%で、残りはゴミとなって地球を汚染している。研究者らは、分子レベルまで分解し完全なリサイクル化や分解速度アップや海洋のプラスチック片の分解にも取り組むとのこと。実用化には時間が掛かりそうだが、世界を挙げて応援すべき研究だと思う。是非とも研究の成功を願いたいものだ。