氷は何故水に浮くのか

水の性質は特異だ。低分子量でありながら沸点が高い。密度は4度で最高になる。沸点が高いのは水素結合で説明出来る。通常の物質は温度を下げると液体から固体に変化し、密度も高くなっていく。だが、水は4度以下になって氷になっても密度は下がっていく。水の最大の科学的な謎だった。その謎を東大と英ブリストル大学の研究チームが解明したとのこと。自分には細かい科学的な内容は理解出来ないが、報道によると以下の通り。水の分子がピラミッドのような形状の「四面体形分子構造」であることに着目し、この形状に変化を加えるシミュレーションモデルを用いて、水の特異性にまつわる物理的起源を明らかにした。その特異性が、固体・液体・気体の三態と温度・圧力の関係を示す相図と関連しているのかを調べるため、その構造の形状に変化を加えると、通常の液体のように低温ほど密度が増すようになったとのこと。即ち、水の特異性は四面体形分子構造に起因することが明らかになった。水は自然界に存在する物質の中で最も身近なものであり、地球上のあらゆる生命に不可欠なものだ。その特異性のため生命や気象、地球の物理現象などに大きな影響を与えている。この研究成果は、生命科学や地球科学などの分野をより一層進展させるに違いない。極めて優れた基礎研究だと思う。