最期の出来事

突如我が家に超常現象らしきものが起こり始めた。自分が20年ほど前の単身赴任時代から使っているアナログの目覚まし時計だ。それ以来ほぼ正確に時を刻み、頼りにしてきた。今朝眼を覚ますと8時過ぎだ。慌てて飛び起きてテレビを点けると7時5分過ぎ。?と思い、目覚まし時計を観察すると、妙に秒針の動きが速い。そして死んだかのように止まってしまった。カミサンにも同じような事が起きた。料理のためにキッチンタイマーを使う。今日はタイマーが妙に速い。あっという間に30秒が過ぎて行く。明らかに異常な事は誰でも分かる現象だ。最近、ヘルスメーターで計る体重の変動が激しい。1日で2kgも変動するし、数分でも変動する。これは正に超常現象に他ならないと思った。悪霊が憑くことなどしたのだろうか、何か厄介払いをしなければとか、不安になった。念のため、乾電池を交換してみることにした。あら、驚くことなかれ。全てが解決し順調に動き出した。それにしても不思議なことだ。一斉に乾電池の寿命が終えるとは。そして最後のエネルギーアップも。丁度人が逝く時の前日に覚醒し元気になるのと良く似ている。物質である乾電池にも、自身の最期が分かるのかもしれないと思われる出来事だった。