PAC3、Jアラートの効能

北朝鮮のミサイル実験に対して、政府はPAC3を配備したりJアラートを発信している。果たして効果はあるのだろうか。何のためのPAC3、Jアラートなのだろうか。北朝鮮がグアムに向けICBMを発射する計画に対応し、西日本にPAC3を配備した。でもPAC3でICBMを撃ち落とすことは原理的に不可能だ。たとえ、もしICBMが軌道を逸れて日本上空に落下してきても速度が違うので撃ち落とすことは出来ない。政府は役に立たないPAC3で国民の安全を守るという姿勢をとった。8月29日はICBMが北海道を飛び越え太平洋に着弾した。政府は北関東以北にJアラートを発信した。町中にサイレンが鳴り響き「近くのできるだけ頑丈な建物や地下街などに避難するよう」呼びかけている。だがそう簡単に避難出来る訳がない。発射から2分後にJアラートが鳴り、その1分後には上空を通過している。通過後数分後に「只今通過した模様」と報じても何の役にも立たないし、何時何処に着弾したのかは報じない。Jアラートは国民を不安に陥れただけ。少しも国民のことは考えてはいない。ただJアラートがミサイルには無力なことだけが実証された。政府は何故PAC3を配備し、Jアラートを発信したのだろうか。穿った見方をすると、第1は、アリバイ作り。実質的に国民の安全は守れないが、守ろうという努力はしたという言い訳作りだ。実際に被害を受けたときの逃げ口上。第2は、国民に危機意識を植え付けるため。森友・加計問題から目を逸らせることが出来るし、内閣支持率の回復も期待出来る。第3は、ICBM迎撃に有効なTHAAD購入予算を計上したいがため。政府が国民の危機意識を煽る戦術は間違っていると思う。