ウソのような本当の話

テレビで、三浦半島西岸のアワビやサザエが獲れなくなったとのニュースが流れていた。原因は磯焼け。ムラサキウニなどが海藻類を食い尽くしアワビなどが生息出来なくなってしまったようだ。生き残ったムラサキウニは沢山獲れるが、中身がスカスカで売り物にならない。そこで水産試験所が実験的に餌としてキャベツを与えると中身が充実し、売り物になる可能性も出て来たとのこと。キャベツは三浦半島の名産で、しかも餌はキャベツの端切れで良いから廃棄処理の代わりにもなる。まさに一石二鳥で、まるでウソのような本当の話だ。サザエには、もう一つウソのような本当の話がある。日本のサザエには学名が無く事実上の新種だったと岡山大の福田准教授が発表した。約170年間も別種のサザエと混同され続け、現在まで学名がついていないことがわかったという。日本産サザエにはツノが有るものと無いものが有るが同種。ツノ有りは、今まで日本のサザエと考えられていたが中国産のナンカイサザエと混同されていた。1848年に日本産を調べた英国の貝類学者リーブが誤って混同したとみられている。一方ツノ無しは、リーブが新種と考え「日本産」を意味する「トゥルボ・ヤポニクス」という学名をつけたが、この学名はモーリシャス産についているため、日本産には適用されないとのこと。従って、日本産サザエには学名が無い。学名が無いから新種と言えるという次第。発見者には命名権がある。さて学名は何と命名されるのだろうか。