仕事をしているということ

仏のユロ・エコロジー相が、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を抑えるため、2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を国内で止める方針を明らかにした。同時に、2022年までに石炭発電を止めることや、2025年までに原発を数基止めることも発表した。環境保護論者のユロ・エコロジー相の真骨頂だ。マクロン政権の新基軸かと思ったが、そうでもなさそうだ。マクロンはフランス電力が英国に原発を建設することに喜んでいるし、フィリップ首相は世界一の原発メーカー・アレヴァ社の元ロビー活動家で原発推進派。環境保護派対原発推進派の争いになりそうだ。でも、大統領と首相が原発推進派だから、原発推進派の勝ちは決まっている。ユロ・エコロジー相は短命に終わるかもしれない。しかし、政権内にユロ・エコロジー相みたいな人物がいるという事実が、フランス政治の凄さだと思う。たとえトップの意向がどうあろうとも、任命されたからには職務遂行のため自説のベストを押し通す。まさに仕事をしているということだ。翻って日本の政権を見ると悲しくなる。大臣たちに自説は無い。首相の一挙手一投足を見ながら忖度し、おどおどしているだけ。真面に国会の答弁も出来ない。口を開ければ失言のオンパレードで政権の足を引っ張る。存在しているだけで有害な大臣が殆どだ。もうすぐ内閣改造がある。日本のユロは現れるのだろうか。残念ながら、間違っても現れるはずがない。