裸の王様の服

幸か不幸か都議選で小池新党が大勝し自民が惨敗した。傲慢な安倍政権にノーという鉄槌を下したことは都民の良識の勝利と言えるが、一方で39人もの新人を擁することになった小池新党の議会運営には危うさを感じる。本来一地方議会である都議会の選挙で、都政そっちのけで政党の人気投票に終わったことに相当の違和感を覚える。いずれにしても自民の敗因は、安倍一人に集約されると思う。一国の首相にはリーダーシップ力と気品の満ちた人格が必須だ。だが安倍はリーダーシップ力と傲慢さをはき違えた。学園問題しかり、共謀罪の強引採決しかり、無能な大臣たちの首を切らなかったことしかり、強引に黒を白と言い張り通してしまった。国会での議論の場でも、荒い言動が目立った。俯瞰的な視野がなく真面な議論が出来なかった。夫人の暴走や口利きもコントロール出来なかった。これが一国の首相かと思わせた。人格の欠如としか言いようがない。まさに裸の王様だ。今回の都議選は「安倍そのもの」が、国民の忍耐許容値を遥かに超えてしまった結果と言える。アンデルセンの裸の王様は子供に裸であることを笑われ、城に逃げ帰る。さて安倍は、いつになったら真面な服を着るのだろうか。人格は一朝一夕に変えられるものではないのだが。