遅ればせのGAP認証取得

今のままでは2020年東京五輪の選手村に国産食材を提供出来ない恐れがあるとの記事には驚いた。農産物にはGAP認証という国際基準がある。選手村へ農産物を納入するにはGAP認証取得が絶対条件とのこと。ところが、国内農家のGAP認証取得率はたったの1%。GAP(Good Agricultural Practice)とは、農産物の安全認証で、農産物の安全性だけでなく農場周辺の環境保全、従事者のけが防止、従事者の人権保護など農業経営全般にお墨付きを与えるもの。先のロンドン五輪では、英国産の食材が提供出来ず輸入品に依存していたとのこと。このまま行くと、東京五輪もロンドンの二の舞いを踏むことになるかもしれない。日本では2006年に日本GAP協会が設立されたが、認証は遅々として進んでいない。今頃になって農水省が慌てている。何故今まで放っていたのだろう。取得が進まない理由は、東京五輪組織委員会と農水省の怠慢と、農家の認証費用と認証維持の負担だ。一方で国産食材の安全は、基本的に国内法で守られているという傲りがあったのではないのだろうか。中国産に対しては残留農薬などを調べるくせに、国産についてはノーチェックが現状だ。遅ればせながら国も自治体も、GAP認証取得に乗り出した。将来、国産食材を海外輸出するにはGAP認証が必須になるはずだ。災いを転じて福となすことを願いたいものだ。