ネット記事の削除

ネットに表示された犯罪歴の削除を求めた裁判で、最高裁の裁定が下された。最高裁は、情報を社会に提供する事業者の表現の自由よりも、プライバシーの保護が優先されることが明らかな場合は削除出来るという判断基準を示した。そうか、表現の自由よりもプライバシーの保護が優先されるのかと思ったが、そう簡単でもないようだ。最高裁は、基準はそうだが、この犯罪は社会的な関心が高いとして削除を認めなかった。「プライバシーの保護が優先されることが明らかな場合」とは「公表されない利益が優越することが明らかな場合に限る」と定義している。だから削除には厳格な要件が必要になる。判断にあたっては、社会的な関心の高さなど事案の性質や内容、本人が受ける損害の程度、本人の社会的地位や影響力、記事の目的や意義、当時の社会的な状況や、その後の変化といった事情を考慮すべきだとしている。何のことは無い。最高裁は、削除はプライバシーの権利の侵害を根拠とするという判断基準を示しただけで、削除の可否はケースバイケースと言っている。罪を犯すと罰を受ける。罪を罰で償ったのだから、本来であればそれでチャラにするべきものだ。勿論社会的に影響の大きいものは例外になるだろうが。この裁判の犯罪歴は、男性の児童買春。性犯罪者は再犯に至ることが多い。消極的にネットの犯罪歴を削除しないことだけで良いのだろうか。この男性が更生するかしないか分からない。一旦削除すべきだと思う。一方で、米国のように積極的な監視を行い再犯を防止するシステムを作るべきだと思う。