教育予算削減の是非

財務省が公立小中学校の教職員を今後9年間で約3万7千人減らすよう文部科学省に求めていく方針を打ち出した。少子化に合わせて人件費を削り、国の借金増に歯止めをかける狙いとのことだが、果たして方向性は正しいのだろうか。年1兆5千億円の人件費を約800億円削れるという。少子化に合わせ教職員数を減らす理由は良く理解出来る。だが、単に比例的に減らして現状を維持するだけで良いのだろうか。経済協力開発機構OECDが各国のGDPに占める学校などの教育機関への公的支出の割合を公表した。それによると、日本は3.5%で32か国中の最下位。OECD平均は4.7%で、1位のノルウェーは6.5%で日本のほぼ2倍だ。国公立中の1学級当たりの生徒数は、OECD平均24人に対し日本は32人。また教員給与はOECDが増加傾向なのに、日本はこの13年間に6%も減ったと指摘している。要するに日本は国家予算で見ると、教育の後進国なのだ。教職員の質は相当ばらついている。再教育や認定制度の導入により、質の向上を図ることが先決だろう。一方、優秀な人材を教育界に呼び込む努力も必要だ。今こそ馳文科相の腕の見せ所だ。