解禁日のない就職活動

経団連の大学生就職活動ルールがフラフラして定まらず、学生たちを翻弄している。学生や大学からだけでなく企業からも不満が蠢いているようだ。昨年の選考解禁時期は4月だったが、今年は8月になり、来年は6月にするという。今年の問題点は就活期間が長くなったこと。8月に遅らした理由は、学生の勉強時間を確保するためということになっていた。だが3年生のインターンシップを入れると就活が1年間にも及ぶことになった。経団連のルールには強制力はない。経団連が8月解禁と言っても、中小企業や外資系企業は4月から選考を始める。当然学生たちは、まず中小や外資系で内定を確保した後に大企業に望むことになる。もし大企業にパスすれば、内定をキャンセルするから中小企業は混乱する。従って8月解禁は混乱と疲労を増すだけだった。では、6月がベターなのだろうか。学生の6月は、テストや教育実習がある。決してベターではない。更にグローバル化に対応出来る留学生をいつ採用するのか。元々全てを満たす解禁日など存在しないのだ。それでは何故解禁日などを設定するのだろうかと疑問が生じる。今から60年以上前に産業界と大学側で就職協定が結ばれ、選考時期の見直しが繰り返されてきて現在に至っている。解禁日の設定理由は、新卒の一括入社だ。大企業から見れば効率が良い。元を正せばそれしかない。だが就職活動とは本来もっと自由なはずだ。今は昔の高度成長期とは違う。大量の金太郎飴戦士など不要だ。今は、人材を欲しがる企業が欲しい時に所望の人材を確保するのが自然だ。解禁日など不要。そういう時代になっている。自分には経団連ルールが世の中を混乱させているだけにしか見えない。