葉緑素あれこれ

すっかり秋も深まり、ナナカマドや蔦の紅葉が綺麗な時期を迎えている。落葉樹の葉っぱが黄色くなるのは、葉緑素が破壊され黄色の色素だけが残るためと言われている。葉緑素が分解され始めて離層が出来る場合は、葉っぱに栄養分と老廃物が蓄積し、それに紫外線が当たるとアントシアニンという赤色色素が生成され、綺麗なモミジになるようだ。紅葉は風流で綺麗だが、科学的なメカニズムも奥が深いようだ。葉緑素と言えば、名大の研究グループが、葉緑素を取り除き植物を透明化する試薬を開発したとのこと。植物を傷つけずに、シロイヌナズナの葉なら4日間浸せばほぼ透明になる。今までの技術では2か月もかかったというから、革新的な技術のようだ。めしべの内部の奥深くまで伸びる花粉管も一本一本をはっきり確認できたとのこと。この技術により植物の内部をありのまま観察出来るようになり、植物研究が加速しそうだ。愛でるも良し、取り去るも良し。葉緑素の奥は深い。