東芝怨念劇場

東芝の2000億円にも上る営業利益かさ上げの不適切会計問題で、佐々木副会長が会社と経団連を辞任することになったようだ。東芝といえば、売上6兆円、従業員数20万人の大企業。過去には石坂泰三や土光敏夫という偉大な経営者を輩出してきた企業だ。これほどの大企業でありながら、何故コンプライアンスが働かなかったのだろうかと不思議に思う。雑誌FACTAには生々しい実態記事が載っている。要は西田相談役と佐々木副会長の怨念戦争のようだ。西田相談役は第11代社長で後任に佐々木を指名し院政を敷こうとした。ところが佐々木は社長になると豹変し西田に楯つき両者の確執が始まった。当時西田は経団連の御手洗会長の後釜と目されていたが、日本商工会議所には第10代社長だった岡村会頭がいるため経団連入りは叶わなかった。一方佐々木は夢破れた西田を尻目に経団連副会長に就任した。西田も佐々木も社長当時は、売上・利益至上主義で現場に対し強引に成績を強制したようだ。最初に佐々木時代のインフラ事業の不適切会計が、西田側から証券取引等監視委員会にチクられ、それに対抗して佐々木側が西田の出身母体であるパソコン事業の不適切会計をチクり、結局第三者委員会の調査で全ての不適切会計が公になってしまったとさ。要するにいい年をした大人たちによるサル山の喧嘩の果てなのだ。東芝というと自分が中学生の頃のテレビ番組「東芝日曜劇場」を思い出す。押阪忍の「明日をつくる技術の東芝がお送りする東芝日曜劇場」というナレーションが懐かしい。スポンサーは代わったが「日曜劇場」は今も続いている。「東芝怨念劇場」というタイトルで実写版のドラマを作れば大当たりすること請け合いだ。