教える喜びと教わる楽しさ

小中学校対象の全国学力テストの結果が発表された。文科省は学力の底上げが進んでいると分析している。全国平均と最下位の差が3%だから、殆ど差はないとも言える。特に沖縄の算数Aは上昇率が顕著で、昨年の最下位から6位にアップした。結果の公表を禁止していた文科省は今年から解禁したものの、殆んどの市町村の教育委員会が反対し公表した町は極めて僅かだ。過度な競争になるとか、テスト結果が学力の全てではないとか、差別化が進むとか、反対の理由は色々ある。だがそもそも学力テストの目的は何だったのだろうか。学力のレベルとバラツキを調べ、より高いレベルと少ないバラツキを目指す事だったはずだ。その目的を果たすためには、結果を公表して次なる行動を促すべきだ。レベルの高い学校の指導法を見習えば底上げが出来るし、レベルの低い学校のやり方を見れば反面教師として役立つはずだ。沖縄は何故急に学力が向上したのだろうか。沖縄の教育長は、児童が頑張った結果だと言うが、それは違う。児童一人で頑張れる訳がない。学校全体の取り組みや先生方の頑張りによるのは間違いない。では何故先生方は頑張ったのだろうか。全国学力テストの結果で自分たちの立ち位置を十分認識出来ていたからに違いない。来年の沖縄は更にレベルアップするはずだ。教える喜びと教わる楽しさを体験したのだから。