予備校から学校へ

自分は予備校通いをしたことがない。今から50年近く前のことだから、予備校に行く人は殆んどが浪人生で、残りは東大などの難関校受験のための特殊な受験対策が目的だった。ところが、その後は予備校全盛となり、猫も杓子も学校の勉強はそこそこにして予備校中心の受験勉強が主流になった。駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミが三大予備校として張り合っていたが、その代々木ゼミが7割を閉鎖するという。少子化による受験生減少が要因とはいうが、寧ろ過剰供給競争のバブルが弾けたと見るべきだろう。自分は嘗て生涯に一度だけ代々木ゼミの校舎に入ったことがある。TOEICの試験会場になっていたからだ。机と黒板だけの殺風景な教室で勉強している学生たちを想像し、まるでブロイラーみたいだなと思った。それに較べて学校の教室には温もりがある。これをきっかけに学校の勉強が見直されると良いのだがと思う。