超スローボールの是非

大雨や猛暑の中で甲子園の高校野球が連日繰り広げられている。13日東海大四対九州国際大付属戦で、東海大四の西嶋投手の投げた超スローボールが話題になっている。その速度は何とスピードガンでは計測不能な50km台。130km台の直球と較べて80kmもの差がある。結局12個の三振を奪い快勝したが、その超スローボールに異議を唱えた元アナウンサーのツイッターが物議を呼んでいる。元アナウンサー曰く「ダメとは言わないが、少なくとも投球術とは言えない。こういうことやっていると、世の中をなめた少年になって行きそうな気がする」と。後日「なめた少年」については、使う言葉を間違えたと謝罪した。では果たして超スローボールは真面な投球術とは言えないのだろうか。ダルビッシュ投手は、最も難度の高い投球術だと言っている。兎角、高校生は正々堂々と勝負するのが良いと言われる傾向がある。元アナウンサーもその延長線で感じたのだろう。だが、それを言えば、バントは狡いし、盗塁は人を欺いていることになる。超スローボールもバントも盗塁も、それらを全てひっくるめて野球が成り立っている。元アナウンサーは寧ろ小柄な西嶋投手が知恵を絞って投げている部分を褒めるべきだったと思うのだが。