法律の誤り

アグリフーズ農薬混入事件の被告に判決が出た。求刑懲役4年6月に対し懲役3年6月。裁判長は弁護側の一罪を認め懲役4年となるところを、反省の態度もあるとのことで半年減刑し懲役3年6月の判決を下した。この事件の犯行理由はボーナスが減らされたこと。事件の影響は、健康被害者が約3千人、会社の損失58億円、製品回収630万個、そしてパートを含む契約社員解雇数百人と正社員のリストラ。犯意と被害の差がかけ離れているのが特徴だ。被告は控訴しない意向とのことで刑事裁判としては一件落着したようだ。だが会社は大損害し働いていた人たちは生活を奪われた。これから民事に移り損害賠償を求める訴訟を起こすことになるようだ。しかし被告には賠償能力があるとは思えない。結局被害者たちは泣き寝入りすることになるのだろう。不合理だと思う。裁判所は刑事と民事を分けるが、被害者は被害を分けて被る訳ではない。刑事裁判でも、被害者への影響も考慮して判決を下すべきだと思う。そうすれば間違っても被告の反省態度で減刑するなどありえない。むしろ増刑になるはずだ。被害者も少しは溜飲が下がるはずだ。法律の基本思想そのものが間違っているとしか言いようがない。