メガデータの恐ろしさ

先日子供夫婦一家が遊びに来た時、小学生の孫の習い事が水泳、ピアノ、習字、進研ゼミ等々多くなり過ぎたので減らそうと思っていると話していた。その進研ゼミのベネッセが大量の顧客情報を漏えいしたと発表した。つい先日ベネッセの経営トップに就いた原田元マクドナルド会長が、本業の進研ゼミを立て直す考えを自信たっぷりに語った矢先だ。御気の毒としか言いようがない。子供の顧客情報は価値があるため高値で取引されるらしい。1件15円として760万件を掛けると1億円だ。情報漏洩の犯人は1億円を懐にしたかもしれない。一方ベネッセは情報漏洩の被害者から損害賠償請求の裁判を起こされるかもしれない。500円の商品券だとしても38億円だし、慰謝料1件1万円だと760億円になる。ベネッセの売上が4700億円で、営業利益が360億円だから、金銭だけでも本体を揺るがす大事件だ。更にブランドイメージの低下を考えると途方もない打撃に違いない。幸い社外から不正アクセスを受けた形跡はないとのことで、犯人は社内の人か社外の関係者に絞られる。明日にでも犯人は捕まるに違いない。ベネッセは顧客情報の価値を、経済資産1億円として考えていたのだろうか。それともリスク資産760億円として扱っていたのだろうか。たとえ事件が解決しても、ベネッセは風前の灯にある。メガデータの価値の高さと大切さを思い知らされる出来事であった。