竃の神様

肉離れになってから2週間が過ぎ、まだ正座は出来ないが普通に歩けるようにはなった。足を鍛えろ、とのカミサンの指示で近所を散歩することにした。先日珍しく近所で火事があったので、現場確認を兼ねて散歩に出た。現場は昔ながらの小さな家が密集している所で、7軒が焼き出されたようだ。近所のオバサンが夜中の火の粉は物凄かったと話している横を通り過ぎると現場に着いた。空に向かってそびえ立っている真っ黒な炭になった柱の数々が、昨夜の炎の勢いを物語っていた。帰りがけに銭湯の横を通ると解体工事をしていた。この辺は空襲に遭わなかったので一昔前までは風呂もない家が多かったが、あれよと言う間に建て替えが進んで風呂持ちの家に変わってしまった。需要が減り、かつ円安で燃料が高騰したので銭湯も成り行かなくなってしまったのだろう。銭湯がなくなり、代わりに近所で火事が発生した。何か竃の神様のご機嫌を損ねたのかもしれない。