子供の日の当日

11人の子供たち家族が帰って行って、我が家に本来の静寂な日常が戻ってきた。静かになった子供の日の夜に、BS日テレの歌謡プレミアムという懐メロ番組を見た。普段なら殆んど見ない番組だが、何か見たい衝動に駆られたのだ。歌手や歌は、自分が子供か青年か、あるいはチョい過ぎの時代に流行ったものだった。とても懐かしく、聴いていて嬉しかった。だがその歌手は総じて昔に較べ声量が無くなり、年が老いたことを感じさせた。ところが、昔よりも歌が上手くなった人もいた。由紀さおりだ。石川さゆりや稲垣潤一も健在だった。年を取れば誰しも昔のようにはいかなくなるのは、自分の経験で充分承知はしている。だから昔のように出来なければ、表には出ないというのが当たり前だと思っていた。歌手はどの辺で境を感じているのだろうか、はたまた稼げる内は何はともあれ出番を第一にするのであろうかと思いを巡らした。でも、昔活躍した人たちが上手い下手は兎も角、テレビに出てくる勇気には感心した。子供の日に懐メロを流す放送局の魂胆が何となく分かったような気がした。今の自分を見詰め直し「大人になるとウマくなる」あるいは「年を取るとヘタになる」と言うことを気付かせるのが、子供の日の意義だったのかもしれない。