誤報にも三分のメリット

昨日の夕方、関西で震度6弱から7程度の揺れを予想した緊急地震速報の緊急アラームが、関東甲信から九州までの広範囲で鳴り響いたとのこと。関東にいた自分の携帯は鳴らなかったので分からなかったが、西日本では瞬時に緊張が走ったようだ。新幹線は軒並みストップし、JRや私鉄で36万人に影響が出た。阪神・淡路大震災を上回る大きさなので覚悟を決めた人も多かったはずだ。だが予想した地震はマグニチュード7.8だが、実際は2.3であり、結局誤報だった。この誤報に対し気象庁は平謝りだが、良い面もあったと思う。東日本大震災の時は、空振りもあったが何回もアラームが鳴った。その都度地震が来る前に身構えることが出来るようになり、たとえ数秒でも地震が来る前に分かることは極めて価値があることを身を持って体験出来た。緊急アラームは有効なのだ。そして今回の誤報は交通機関や個人にとっても良い訓練になったと思う。そのうち本物の大地震が来た時に、今回の経験が役に立つはずだ。まさに真の籠った予行演習だったといえるだろう。更に良い事が一つある。気象庁は今回の誤報に懲りて、緊急地震速報の精度を上げるため一層の努力をするはずだ。地震の兆候を捉える技術は確実に進歩することになる。気象庁が狼少年にはならないことを願いたい。