品質安全軽視へのしっぺ返し

カネボウの美白化粧品が問題を起こしている。美白にならず醜白になる。症状を訴えた件数は、5月13日に3件、その後の調査で39件になり、現在は重い症状の訴えが2250件。販売済みの回収対象商品は45万個あり、7月4日から回収を始め約15万個を回収したとのこと。消費者庁は5月の時点で使用中止を呼びかけていれば少しでも被害を防げたはずだと言っている。だがもっと前に販売を中止すべきだった。45万個販売で重症2250件だから発生率は0.5%。発生率としては極めて高い数値といえる。これ程の数値であれば、販売前のテストで重症例が確認されていたことは間違いないだろう。問題が有りながら何故販売に踏み切ったのだろうか。品質安全チェック体制が杜撰なのか、品質安全よりも販売計画を優先させたのか、親会社の花王流の効率化による業績改善の副作用によるものか、原因はその何れかだろう。カネボウはこの問題で被害者への治療や相談や補償で相当な費用が発生するだけではなく、商品全体の売上が大幅に落ち込むことになる。醜白問題は時間が経てば解決するだろうが、失われた信用は戻ってこない。品質安全を軽く扱うときついしっぺ返しが来るものだ。