見習うべき「子ども国会」

参議院本会議場での首相答弁に対し何のヤジもなく聞き入る議員に向かって、野田首相が「首相になってから初めてずっと静かに聞いてもらえた。その見事な態度に心から敬意を表します」と感謝の意を表した。昨日行われた小学生150人が参加した「子ども国会」でのことだ。子ども達は他人の意見を聞くときは静かに聞くことを教育されている。果たして現役国会議員達は何かを感じたのだろうか。国会では連日激しいヤジが飛び交うのが日常茶飯事。ヤジは新人議員の初仕事に位置付けられている。日本の国会では何故このようにヤジの応酬しかないのだろうかを考えてみた。まず質問者に論理的質問能力が欠如していて、回答者の真面な回答を引き出す質問が出来ない。引き出すことが出来ないので必然的に相手を感情で罵倒することになるから、増々質問の核心から遠ざかってしまう。一方回答する側は質問内容を聞かずに予め用意した回答メモを読むだけだから、時々質問にないことに回答する珍事も発生する。回答者は的確に回答することことよりも、如何に質問の内容をはぐらかすかが名回答と思い違いをしているから、真面な回答は望むべくもない。要するに質問者も回答者もディベート能力ゼロ。今後国会議員になろうとする者には、選挙前に小学校研修が科せられることになっても不思議ではない状況にある。