消費者庁の不作為

「茶のしずく石鹸」で小麦アレルギーを発症した被害者535人が、製造物責任法に基づく損害賠償を求める訴訟を起こした。請求総額は70億円以上。茶のしずくはシミに効果があると謳い文句の洗顔用石鹸だが、その成分に加水分解コムギというグルテンの加水分解物を含んでいたことが問題だった。当時苦情発生後厚労省は小麦アレルギーの警告を出したが、消費者庁はホームページに注意を促す程度の対応しか取らなかったため被害が拡大した。結局消費者庁の不作為がこの事件を拡大させてしまったと言える。消費者庁は、消費者の視点から政策全般を監視する組織の実現を目指して2009年に発足した。内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)は初代の福島瑞穂に続き荒井聰、岡崎トミ子、蓮舫、細野豪志、山岡賢次、松原仁と僅か2年半で7人も替わった腰掛座席で、元々仕事への期待など望むべくもない。だが消費者庁とは、政治家にとっては軽い腰掛椅子かもしれないが、国民にとっては極めて重要な存在だ。審議拒否遊びをしている政治家には眼中に国民のことなど入らないだろう。しかし政治家は政治家のためにあるのではなく、国民のために存在すべきだ。それに気づいた政治家集団が次の政権を取る資格を得る事が出来ることにならなくてはならない。