経産省vs東電

経産省と東電が公的資金注入後の経営権を巡ってもめている。枝野は事業改革推進のため過半数以上の議決権取得を、東電は民営維持を主張。枝野は公的資金投入と電気料金引き上げと原発再稼働で、早く東電問題を決着したいというのが本音だろう。しかしそれでは経産省と東電の癒着構造がバレテしまうので、議決権取得と発送電分離を持ち出したに違いない。一方東電は美味しい経営権を手放したくはない。必死で与野党工作に走っている。東電族議員としては麻生太郎、甘利明、大島理森、石破茂、石原伸晃、与謝野馨、平沼赳夫、仙谷由人、枝野幸男、小沢一郎らが有名だ、そのうち誰かが顔を出すだろう。経産省と東電の両者には根本的な間違いがある。国は東電の経営に乗り出すべきではない。電気料金値上げの許可をするのは国だが、利益を追求する株主の立場と国民負担を抑える行政の立場が相反することになる。元々即東電の経営を任すことの出来る人材もいない。一方東電は今現在も民間経営会社ではない。西沢社長が「東電は値上げする権利がある」と発言したように半官半民の会社だ。その時々に玉虫色に官と民を使い分けている。諸悪の根源は電気事業法の総括原価方式による電力料金にある。総括原価方式では原価に報酬が上乗せされたものが電力料金となるため、経営者も社員も何ら努力せずに一定の利益が得られる仕組みになっている。総括原価方式である限り東電が民営と言うのはおこがましい。更にこの方式であると、本来下げるべき原価を大きくすればするほど利益が増えることになる。金を使えば使うほど着ぶくれする構図だ。国がすべきことは、まず電気事業法を改正し総括原価方式を改めることだ。東電が真の民間会社に変貌すれば、将来の姿は自ずから見えてくるはずだ。