バンゲアとアメイジアの間

今から50年以上前の小学生の時、世界地図を見ていて南アメリカ大陸を動かしアフリカ大陸に近づけると海岸線がほぼ一致することを発見し喜んだ覚えがある。プレート理論が発展した1960年代後半以前のことだ。ところが調べてみるとこの発見は歴史が古い。1596年に地図製作者アブラハム・オルテリウスが初めて言及している。1912年にアルフレート・ヴェーゲナーが提唱した大陸移動説は、かつて地球上にはパンゲア大陸と呼ばれる一つの超大陸のみが存在し、これが分離・移動し、現在のような大陸の分布になったとするもの。今では2億5千万年前にローレンシア大陸、バルティカ大陸、シベリア大陸などすべての大陸が次々と衝突したことによってパンゲア大陸が誕生し、2億年前ごろから再び分裂を始め現在に至っているとされている。地球は数億年毎に超大陸と分散状態を繰り返しているらしい。現在の大陸移動は将来どのようになるのかエール大の研究チームが発表した。数億年後に南北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸、アフリカ大陸が北極付近に集まり新しい超大陸「アメイジア」が形成されるという。46億年前に地球が誕生し、約20万年前に現在のヒトであるホモ・サピエンスが出現した。「バンゲア」と「アメイジア」の間の悠久の中でヒトはどのような一瞬を生きるのだろうか。