高校無利子奨学金

高校無利子奨学金の回収率が低下し、このままでは31年度には790億円の資金不足に陥るとのこと。この奨学金事業は文科省が実施していたが6年前から順次都道府県に移管されてきた。趣旨は、保護者の失職、倒産や災害等により家計が急変し、緊急に奨学金貸与の必要が生じた学生・生徒に対応するため。申込み時に機関保証に加入するか連帯保証人と保証人が必要。卒業後返還された奨学金が後輩の奨学金として再び活用されるシステムなので返還することが極めて重要だ。文科省は10年度までに各都道府県に計約1411億円を交付してきた。この問題を調査し指摘した検査院は、奨学金の徴収を債権回収会社に委託するなど適切な措置を都道府県にとらせるよう文科省に改善を求めたとのこと。福岡、神奈川、京都など11府県で資金不足に陥る恐れがあるが、回収率の低下は決して大震災によるものではない。原因は借りる側と回収する側の無責任さによるものだ。これから高校に入学する苦学生のためにも、遅延賠償金を含めて厳しく回収する必要があると思う。