2019年1月

短歌引用の心得

先日安部・プーチン会談が終わったばかりなのに、プーチンが安部首相の施政方針演説に激怒しているという。安部は冒頭で明治天皇の短歌「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」を詠んだ。文脈から推測すると、大きな困難に直面しているが共に力を合わ乗り越えていこう、と言いたいのだろう。しかし、この短歌は「日本人の大和魂の勇ましさは、平時では現れなくても何か起こった時こそ現れるものだ」という意味で、日露戦争中、明治天皇が国民に勇気ある戦いを呼びかけたもの。まさに打倒ロシアの号令なのだ。日露戦争はロシアにとっては弱小国に負けた屈辱的な戦いだ。プーチンから見ればいきなり喧嘩を売られたようなもの。激怒するのは当たり前。これでは、北方領土問題は遠くなるし、6月の大阪G20プーチン不参加も現実味を帯びてくる。短歌を引用する場合、字面を見るだけでなく、その背景を理解することが肝要だ。その理解力を教養という。安部は総裁選の時も同じ過ちをしたことを、このブログ「怖い笑い話」にも書いた。教養は一朝一夕に身に付くものではない。ならば、薄っぺらな知識をひけらかすのは慎むべきだと思うのだが。懲りないようだ。

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「杜撰」の見本

杜撰とはこういうことを言うのだろうと思う。厚労省の統計不正問題の顛末だ。56の基幹統計のうち22に問題があった。この不正で約2千万人が雇用保険や労災保険などを560億円以上も過少給付されていたのだから重大な問題だ。更にアベノミクス官製春闘のため故意に数値を歪めたとも言われている。問題は山積している。統計を扱う人手が足りない。官僚には統計の簡易法の知識が無い。外部の専門家の助言を得れば出来るが、官僚は全て自前でやろうとする。問題点を明らかにするため第三者委員会が設けられたが、極めて杜撰。2ヶ月かかる作業を1週間で上げたやっつけ作業。しかも身内の官房長が調査側に入り公正さはゼロ。根本厚労相は記者会見で質問に答えられず「事務方に聞いて」の連発。諸悪の根源は政府が基幹統計を軽く見ているからだと思う。縦割り行政を廃止し、横断的な統計部を作り専門家を育成すれば解決する。一連の騒動は政府の不作為の結果と言えそうだ。

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言葉の独り歩き

泉明石市長の「燃やしてしまえ」発言が独り歩きしている。2年前の出来事だが何故か市長選直前に再燃した。でも問題の「燃やしてしまえ」には前後の文脈がある。それをカットしては真意が伝わらない。経緯はこうだ。交通事故の多い通りがあった。安全確保のため7年前に道路を拡幅することになった。殆どの家が立ち退いたが1軒だけ残ってしまった。安全は確保されていない。その現状に市長は担当者の無責任さを責めた。「何故7年も放置したのか。職責を全うしろ。出来ないのなら燃やしてしまえ。賠償はお前らがしろ。役所はしんどい仕事をするのだ」という具合。市長の真意は「燃やしてしまえ」ではないことは明らかだ。不甲斐ない部下を鼓舞する激励に過ぎない。部課長の発言であれば良くある話だ。でも市長は絶対権力者だから少しきつ過ぎる。だから問題にもなっているのかもしれない。本当の問題は「市長の発言としては少しきつ過ぎる」だけだと思う。しかし、近年はこのような熱血漢の市長はいない。懐柔や搦め手や無言のパワハラで相手を籠絡するのが多い。では、市民としてどちらが好ましいのだろう。勿論、熱血漢を期待しているはず。泉明石市長は、もっと意思表示を明らかにして発信べきだったと思う。泉明石市長の敗因は、トランプのようにツイッターを効率良く利用出来なかったことなのかもしれない。

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「どちらでもない」の解釈

沖縄の辺野古移設を問う県民投票日である2月24日が迫ってきた。当初、沖縄市、うるま市、宜野湾市、宮古島市、石垣市の5市長は不参加を決めていた。だが、賛成、反対の2択に「どちらでもない」を加え3択にすることにより、県全域での投票実施が行われそうな見通しになったとのこと。「どちらでもない」が加えられた経緯は、消極的に容認する立場を反映させるためと言われている。だが問題は「どちらでもない」票を如何に解釈するかだ。何と玉城デニー沖縄県知事は「どちらでもない」は「どっちでもいい」ということだと言い出した。反対派の県知事から見れば「どちらでもない」票は反対票という解釈だ。当然一方の賛成派は消極的賛成と主張するはず。折角県民投票をしても、結果は曖昧になり決着は着きそうも無い。しかも、そもそも県民投票には強制力がない。白黒をはっきりさせるための県民投票が、事態を益々混迷させることになりそうだ。単純に2択とか3択などにせず、県民の心情を如実に表す選択投票にすべきだと思う。その方が、政府に対する強力なアピールになるはずだ。

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交通取り締まりの原点

僧衣で運転したことを理由に福井県警は僧侶を交通違反で捕まえたが、僧侶たちの猛反対に遭い違反を取り消したとのこと。福井県道路交通法施行細則には「運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両を運転しないこと」の規定がある。取り締まり警官はとっさにブレーキをかけられず、シフトレバーなどに袖が引っかかる恐れがあると判断し、青切符を切ったという。ところが、僧侶が所属する浄土真宗本願寺派は「僧衣での運転が危ないなんて聞いたことがない。裁判になっても宗派として全面的にバックアップする」と猛反発。ツイッターでも「#僧衣でできるもん」のハッシュタグで、軽快に動けることが多く投稿された。各地の僧侶が反発したのは、男性が着ていた「布袍」が、身動きしやすい「略装」だったからとのこと。県警はそれに負けて取り消した。当の僧侶は、今後僧衣で運転してよいのか県警に尋ねたが明確な返答は無かったとのこと。僧侶はどうしたらよいものか困っているようだ。取り締まり警官が、細則の字面に拘らず、実際に運転に支障があるかを確認しておけば起きることは無かったはずだ。ネズミ取りも、安全の確保・向上よりも点数稼ぎ競争が優先されている。取り締まりは何のためにするのか、原点に返るべきだと思う。

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高野連の体質刷新を

またまた高野連が物議を醸している。高知商業野球部を引退した3年生が有料ショーにユニフォーム姿で出演したとして、部長をつとめる同校教諭に謹慎処分を科した。日本学生野球憲章の「学生野球は、学生野球、野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない」などに違反するからだと言っている。有料ショーとは、同校のダンス部員が企画した文化祭のステージをより本格的にしたイベント。入場料は500円だから商業目的ではないことは明らかだ。この部員は甲子園にチアガールとして応援に駆けつけてくれたダンス部へのお礼としてゲスト出演したという。本来なら美談だ。高校生活が健全に行われているという証でもある。しかし、高野連は相変わらず体質が古い。日本学生野球憲章の意味を歪曲化している。むしろ、日本学生野球憲章を厳密に解釈すると、高野連が甲子園の入場料をとること自体が憲章違反だ。金足農業の吉田投手の侍ポーズや、花巻東のカット打法を禁止したが、選手の個性や独自の努力を踏みにじるものと言える。健全な高校生活を推進するには、高野連の早急な幹部総入れ替えが必要だと思う。

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ミニクラス会

肝硬変を患い、生活に多くの支障をきたしている友達を支えるための昼食会が月一で開かれる。高校のクラスメートで地元に住んでいる有志が8名程度集まり世間話に花を咲かせる。今日もその昼食会に行ってきた。全員72歳で男ばかり。話題は健康・病気が主になる。それもそのはず、肝硬変を筆頭に、前立腺がんを摘出した者、胃がんの疑いがもたれている者、心房細動になりAEDで生還した者、腰痛でゴルフもままならない者、BMIが30もある者、白内障手術を受けた者等々、皆何某かの病を抱えている。ミニクラス会だが病人の集いでもある。食事が終わると、何故かゴソゴソし出す。何とお昼のお薬タイムだ。日本の老人医療費が年々増加していることを実感した。同時にこのミニクラス会が精神疾患に陥ることを防止していることを確信した。

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人の振り見て

韓国の前最高裁長官が職権乱用権利行使妨害の容疑で逮捕された。朴政権時代に元徴用工裁判を故意に引き延ばした容疑とのこと。政権が変わると前大統領が逮捕されることは多いが、最高裁長官経験者が逮捕されるのは初めて。文政権になり、最高裁が元徴用工に対し日本企業に賠償するよう判決した。日本は1965年の日韓請求権協定で決着していると主張しているが、文は「韓国は三権分立なので政府は見守るしか無い」と嘯いている。では、韓国は真に三権分立なのだろうか。韓国の最高裁長官は大統領が指名する。従って大統領は子飼いの者を司法の長に就けることが出来る。朴政権時代は朴の意をくむ者が長に就き反日感情を和らげていたのかもしれない。一方、文政権では文の意をくむ長が反日感情を煽っているのかもしれない。いずれにしても、韓国には三権分立など存在していないと言えそうだ。だが待てよ。日本の最高裁長官は内閣が任命する。同じ構図だ。目くそが鼻くそを嘲笑っているだけかもしれない。それよりも「人の振り見て我が振り直せ」をまず実行すべきかもしれない。

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幸せの未来は見えない

江の島海の王子がコメントを発表した。マスコミ向けだが、間接的には秋篠宮さま宛てと見ていいだろう。秋篠宮さまが「それ相応の対応をするべきだ」と仰ったのが昨年の11月。あれから2ヶ月も過ぎた。その間王子は米国に行き梨の礫。やっと秋篠宮さまへの答えを出したのかと思ったが、そうではない。従来通り母親の借金は贈与として決着していると述べただけだ。秋篠宮さまも国民も、母親のトラブルが解消し、婚約の壁が無くなったとの報告を期待していたのに。しかも、母親問題は未だに解決していないとのこと。再発するのは目に見えている。このコメント発表は一体何なのかと思う。周回遅れのコメントだ。間が抜けているとも言える。当時このブログにも、王子に必要なことは誠実さだと「誠実さの証明」に書いた。だが、このコメントからは誠実さが全く感じられない。むしろ、不誠実ささえ感じる。王子はパラリーガルを卒業し米国の弁護士資格取得を目指すという。もし資格を取得出来たとしても、人の気持ちや道義が分からない弁護士など、仕事が出来る訳が無い。もし自分が娘の親であれば、断固反対して娘を説得する。でも恋の病は強い。説得出来なければ、死んだものと諦めるしかない。どう考えても幸せの未来は見えない。

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日経夕刊三面のトップ下

日経夕刊三面のトップ下に「100円カップに150円ラテ注ぐ 窃盗容疑で男逮捕」の記事。三面記事とはいえトップ下だから、かなり重要な記事かと思った。ところが、読んでみると見出しの通り、コンビニのセルフコーヒーで100円のカップを買ったのに150円のラテを注いだとして、オーナーが取り押さえ警察が逮捕し余罪を調べるとのこと。こんな些細な事がトップ下に載ることに違和感を覚えた。この男は同じ窃盗で何回も逮捕されている手に負えない常習犯なのだろうか。オーナーは極端な潔癖症なのだろうか。この種の窃盗が全国で猛威を振るっているのだろうか。警察は取り調べに時間をかけるほど暇なのだろうか。最も奇異に感じたのは、日経がこの記事を三面トップ下に載せた意図はなんだったのだろうかということだ。きっと余白が出来たので通信社の記事を差し込んだだけなのだろう。こんな記事を載せるなら紙面の数を減らして購読料金を下げてほしいと思う。新聞は発行部数が激減している。読者の活字離れだと言われているが、編集力の劣化も一因であることは間違いなさそうだ。

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ゴルフ、テニスそしてサッカー

ゴルフの初打ちに行ってきた。前の組が超スロープレーなので寒風の中で何回も待たされた。体がいつになっても温まらない。筋肉は固まったまま。結局メンバー4人揃って最悪の結果だった。とても疲れたゴルフだった。家に帰るとベスト8をかけた錦織選手の試合がテレビ中継されていた。戦前の予想に反し相手のカレノブスタは強い。錦織は2セット先取されたが2セット取り返し、最終セットのタイブレークに持ち込んだ。最終タイブレークは今回初の10点先取制。8-5とリードしたカレノブスタのパッシングショットの判定でカレノブスタが切れた。その後錦織が連続ポイントをあげ勝利した。あの時カレノブスタが切れずに冷静でいれば、どっちが勝っていたか分からない。あの切れが敗因だったと思う。それにしても、2セット取られた後の挽回といい、タイブレークでの粘りといい、錦織の体力と精神力は並大抵でないことを実感した。見ていてハラハラして疲れたゲームだった。テニスが終わりチャンネルを回すとアジア杯サッカーの対サウジアラビア戦が終了する寸前だった。同点にされないことを祈った。何と1-0で日本が勝利した。勿論心地よい疲れが急激に眠りを誘った。

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GAFAに規制と課税を

最近GAFAという文字を新聞でよく見かける。GAFAとは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのこと。世界を股にかけた巨大IT企業だが、問題も山積だ。欧州では一般データ保護規則違反として訴えられている。利用者の個人データを第三者に売っているからだ。違反が認定されれば2兆円超の制裁金が課されるとのこと。一方日本も含め殆どの国々では、GAFAは法人税を払っていない。日本の税法では、外国の会社に税金を課す条件として「日本に子会社や事務所が設置されていること」という条文があるからだ。つまり、日本に子会社も事業所もなく、ただネット上だけで商売しているのであれば、日本の税金は課せられないのだ。税金が極端に安いシンガポールに本部を置き、そこに世界中の子会社の利益を集中させる構図をとっている。昨年G20が、やっと国ごとに企業が稼いだ売上高に課税できる一時的措置を導入する方向で検討を始めた。G20もOECDもWTOも余りにも腰が重すぎる。

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共通テストは絵に描いた餅

今日からセンター試験が始まった。でも2年後には廃止され、大学入学共通テストに置き換わる。勿論自分はセンター試験など受けた世代ではないが、息子が受けた。問題大ありだったがその顛末は「センター試験の苦い思い出」に書いた通りだ。今後センター試験が共通テストに代わると何が変わるのだろうか。一言で言うと、○×式の選択式から判断力、表現力、主体性を評価する記述式に変わる。鉛筆転がしから頭の中で汗をかくことになるのだから、選抜方式としては一歩も二歩も前進だ。でも問題はその実現性だ。記述式回答を、如何に誰がどのように評価するのだろうか。しかも、全国にいる受験生に対し公平に評価し、かつ点数と順位を付けなくてはならない。出来るはずがない。絵に描いた餅とはこういうことを言うのだろう。でも自分は記述式を尊重する共通テストに変える方向性は正しいと思う。ただ、共通で行うことが根本的に間違っていると思う。本来大学入試はセンター試験も共通テストも廃止すべきだと思う。各大学が独自な選別方法で、採りたい学生をチョイスする方法こそが、大学も学生も共に成長出来る最善の方法だと思う。

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伊勢詣での結果

1月4日伊勢神宮に、政権中枢の安倍首相、立憲民主党の枝野代表、国民民主党の玉木代表が参詣したという。伊勢神宮と言えば神道の総本山。天皇は神道のトップでもあるから、昔流に言えば伊勢神宮は右翼の総本山とも言える。安部は超右翼だからその参詣には納得がいく。でも、枝野の参詣は摩訶不思議だ。しかも枝野に同行したのは、福山幹事長、蓮舫副代表、芝参院国対委員長。これだけ揃えば立憲民主の公式参拝だと断言出来る。そこで社民党出身の阿部衆院議員が噛みついた。枝野らは夏の参院選に向け保守層にも支持を広げる思惑があったようだが、結果はどうだったのだろうか。ツイッターは炎上している。「伊勢神宮よりも辺野古に行くべき」との声が多いという。そこで思う。枝野は何を考えて皆揃って伊勢神宮に参詣したのだろうかと。答えは簡単だ。得票、収票、それに尽きる。それにしても最近の野党は小賢し過ぎる。しかし、一般国民はこんな馬鹿げたことなど考慮していない。一般国民はバカな政治家以上に勉強しているのが現状だ。枝野も玉木も、そのうち足をすくわれることになるに違いない。自分の推測は、占いよりも当たることになるはずだ。

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今日はビンゴ

昨日から今日にかけて我が家恒例の房総ドライブ旅行に行ってきた。今回はまだ行ったことのない場所を巡る計画を立てた。トンネル愛好家に絶賛されている竹岡の燈籠坂トンネル、吉永小百合主演で有名な明鐘岬、新しく出来た道の駅うまくた、グルメが集う生姜ラーメンの波音食堂、涅槃仏で有名な萬徳寺。ところが生憎カミサンは正月の重労働がたたり重度の腰痛で、思うが儘に動けない。仕方なく、燈籠坂トンネルと明鐘岬と萬徳寺は諦めた。結局、歩かなくても済む道の駅うまくたと波音食堂だけの訪問になった。道の駅はいくつか回ったことはあるが、うまくたは今一。と言うよりも特色がなさ過ぎる。取って付けた道の駅という存在と言える。そのほか富楽里とみやまも以前ほどの活気はなかった。その反面渚の駅たてやまは土産物も充実していた。道の駅の浮き沈みの激しさを実感した。今回の唯一の収穫は波音食堂だ。以前グルメ番組で取材された食堂だ。生姜をいやと言うほど使ったスープが特長で病みつきになる。場所は館山市の郊外。不便だが車で客が次々にやって来る。自分は合間よく店内に入れたが、次々に客が訪れ外で待っている。繁盛店なのだ。自分は今まで繁盛店に入店した経験などはない。初めて経験した。美味しいラーメンを啜りながら、窓の外の来客の待ち姿を見ながら、今日はビンゴだと思った。

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EU離脱案否決後の行方

英議会が、EUと合意したEU離脱案を否決した。それも、反対432、賛成202の大差で否決された。メイ首相は1月21日までに代替案を議会に提出することを求められているが、可決が見込める代替案の提出は不可能だろう。このまま行けば3月末に合意無き離脱へ突入することになる。離脱を決めた国民投票時と現在では状況が変化している。国民投票当時は、移民により仕事が奪われる、テロリストの流入に繋がる、EUの細かすぎる規制、EUへの拠出額の大きさ等を問題視してきた。謂わば先行きの不安が対象だった。でも今は違う。アイルランドとの国境問題。これが解決しないと英国は永遠にEUの支配下に残ることになる。反対票が激増したことも肯ける。かと言って、合意無き離脱をすれば、英国経済はリーマンショック以上の衝撃を受ける。合意無き離脱によるデメリットを考えれば、離脱に賛成する英国民は殆どいないだろう。今は離脱による影響は不安ではなく現実的なものになっている。当面の解決策は、離脱日を延期することしかありそうもない。英国民は今一度頭を冷やして考えるべきだと思う。

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やぶ蛇の記者会見

フランス当局が捜査を開始した東京五輪賄賂疑惑に関し竹田会長が記者会見を開き、己の潔白を訴えた。しかし、8分後に会見を打ち切り記者質疑には応じなかった。当時東京五輪準備委員会は陸上界のトップであるディアク氏の息子のコンサルタント会社に2億3千万円を支払った。でもコンサルタント会社は実態のないペーパーカンパニー。だが親のディアクは大票田のアフリカで集票力がある。五輪は招致活動の度に賄賂が問題になる。今では1票10万ドルが相場になっているという。2億3千万円で20票が見込める。事実関係と五輪の裏常識を考えれば、2億3千万円は迂回賄賂と見做すのが妥当だ。竹田会長は状況証拠だけで限りなくクロに近いと言える。その竹田会長が自主的に会見を開くという。潔白を証明することを期待した。ところが、口では潔白だと言うが、何一つとして証明するものは無かった。しかも、質問を一切受け付けず、捜査中だからコメントは控えると逃げるように会場を去った。誰が見ても後ろめたさが目立つ。竹田会長は疑惑を晴らすチャンスを、自ら疑惑を益々深いものにしてしまった。やぶ蛇の記者会見と言えそうだ。

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ゲノム医療の時代

厚労省が、がんゲノム医療の医療提供体制を作ると発表した。がんゲノム医療とは、がん患者の遺伝情報から最適な抗がん剤を選び出す医療だ。効果が高まり副作用も少なくなることが期待されている。一部の検査は春にも保険適用される見込みとのこと。いよいよ、がんもゲノムで治す時代に突入したようだ。ところが問題も多い。一つは混合診療。ゲノム検査に保険を適用しても、治療法が混合診療ルールに抵触すれば、ゲノム検査も保険適用外になってしまう。そこで厚労省は例外として混合診療が認められる「患者申し出療養」の仕組みを使いやすくすると言うが、混合診療を解禁するのが本筋だと思う。もう一つは薬代。ゲノム検査は3割で済むが、薬代は全額負担。ゲノム検査で最適な治療法と示されそうなのは保険適用外の抗がん剤が大半とみられている。しかも高価だ。この壁は高くて厚い。2人に1人ががんになる時代というのに、がんゲノム医療は誰でも受けられる状況ではなさそうだ。広く行き渡るにはまだまだ時間がかかりそうだ。少し残念。

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ムーアの法則の終焉で

今から30年くらい前に、開発ヒアリングの席上でLSI開発担当者から「ムーアの法則」を聞いたことがある。ムーアの法則とは、集積回路上のトランジスタ数は1.5年ごとに倍になるというもの。しかもコストパフォーマンスを満たす必要がある。まさに日進月歩の開発競争だ。ムーアの法則は経験則だから10年も経てば限界を迎えるだろうと当時の自分は思っていた。ところが、驚くべきことに30年後の現在までムーアの法則は生き続けてきた。技術開発の果てしなさに驚嘆する。しかし、グラフィックスチップメーカーのNVIDIAのCEOは、もはやムーアの法則は成り立たないと断言している。今までムーアの法則が成り立っていたからこそスマホの定期的な進化が実現化し、毎年毎年新製品を発表し売ることが出来た。もしムーアの法則が終焉すれば新製品競争も状況が変わってくる。まさに電気・電子業界も潮目を迎えているのかもしれない。

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ペイペイとZOZOとiD

高額な資金を使い認知を広げる販促手法がのさばり始めた。100億円還元のペイペイ、100万円プレゼントのZOZO、えげつないと思う。ヤフーとソフトバンクが出資する決済会社ペイペイの「100億円あげちゃう」キャンペーンが4ヶ月間の計画で始まったが利用者が激増し10日間で予算を使い果たしたとか。同社の決済サービスを使えばすべての人に購入額の2割がポイントで還元される企画だったが、そのポイントが付与されなかったり、取り消されたりで混乱している。新しい決済方法なのに運営は極めて杜撰だ。一方ZOZOは前沢社長が個人資産1億円を投じ、社長のツイッターをフォローした上で、投稿をリツイートした人の中から100人に100万円を支払う企画を発表。フォロワー数は企画前の約50万人から550万人超に増えたという。今後社長は販促のためフォロワーに広告を打つという。金で客を釣るという商法だ。えげつない。でも待てよ。昨年自分は、iD機能を付ければ2000円というクレカのキャンペーンに応募し、2000円分をせしめた。どうやら、えげつなさは人間の本性のようだ。

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原発撤退の技術フォロー

日立が英原発事業を止める方針を固めた。これで米国の東芝、トルコの三菱重工に続き、日本の原発輸出はゼロになった。事業費は総額3兆円。うち2兆円を英国政府が融資し、残りは日立、日本政府と国内電力会社、英政府と英企業が3千億円ずつ出資することになっていた。今の英国はブレグジットで原発どころではない。国内電力会社は及び腰。英原発中止の理由は総額が倍増したからだ。最大の理由は福島原発事故で安全対策が真面になったため。2011年に福島原発事故が発生し世界の原発計画は見直しが相次いだ。最早原発は安価でクリーンな電力源ではない。しかし、安倍政権は経済政策の柱に原発輸出を立て推進してきた。ここに最大の問題がある。一方小泉元首相は、声高に「原発ゼロ」を叫んできた。ここに来て、どちらの首相が如何に先見性と理性を備えていたかが明瞭になった。今後安倍首相の採るべき道は、廃炉を含め原発撤退のための技術フォローしか残っていない。いや、この技術フォローこそが遠い将来日本国民が安部首相を賞賛するネタになるはずだ。

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1ドル104円?

正月三が日に変な夢を見た。今日までそう思っていたが、朝刊を見て夢ではないことが分かった。3日のテレビに1ドル104円とのテロップが流れていた。いや、流れていたかもしれない。アルコールも入っていたので見間違えたのだろうとも思っていた。108円が一夜にして104円になるはずがない。翌日には夢だったのだろうとも思った。ところが、現実だったのだ。3日午前7時半、たったの1分間で4円も瞬騰し、1時間後に戻ったとのこと。正月休みは薄商いになる。そこに海外投資家の仕掛け的な円買いが入ったらしい。個人もAIも虚をつかれ損切りに動いて異変に拍車をかけたとのこと。FXは損失が膨らむと元手の範囲で自動精算する仕組みがあり、多くの投資家が大損をしたようだ。問題はAIだ。AIはニュースや相場などのビッグデータを元にアルゴリズム取引をする。決めた条件を満たせば自動的に売買注文を出す。この仕組みが逆手に取られた。AIも万能とは言えない。AI頼みの未来の混乱が始まったようにも見える。

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せこい亡者

特別背任事件で逮捕されたゴーン前日産自動車会長が求めていた勾留の取り消し請求が東京地裁で開かれた。ゴーン自ら無罪の主張をした。私的投資の損失18億円を日産に付け替えたが会社に損害を与えていない。サウジ実業家に16億円支払ったのは日産と中東の販売代理店が抱えたトラブル解決への対価だと主張。更に自分は全人生をかけて日産のために働いてきたと付け加えた。まだ裁判中だから、ゴーンが無罪になるか有罪になるかは分からない。でもこの騒動で分かったことが一つある。ゴーンは亡者なのだ。辞書によると、亡者とは「金銭や権力などに対する執念にとりつかれている者」とある。まさに亡者で、しかもせこいのだ。ブラジル、レバノン、フランスに会社の金で自宅を作るなど狡過ぎる。世界のトップ企業の経営者と較べるとコマネズミのように映る。この事件は如何様にも解釈出来るから、ゴーンは無罪になるかもしれない。でも今後経営者として、人間として捺された失格の烙印は決して消すことが出来ないだろうと思う。

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星の数ほど

先日テレビを見ていたら、何の番組かは忘れたが星の数について話をしていた。多いものの例えとして「星の数ほど」という表現をするが、地上から肉眼で見ることの出来る星は自ら光る恒星だけだ。その光にも強弱があるから、弱い光の星は見ることは出来ない。更に殆どの恒星は惑星を持っている。だが惑星は自ら光らないから地上からの観測は全く不可能。結局、地上からは殆どの星を見ることは出来ないというような内容だった。「星の数ほど多い」という表現と「殆どの星は見られない」という対比が印象的だった。昨年NASAの宇宙望遠鏡「トランジット系外惑星探索衛星TESS」が打ち上げられ、既に太陽系外に3つの惑星を見つけたという。TESSは昨年10月に運用を終えた「ケプラー宇宙望遠鏡」の後継にあたる。ケプラーよりも広範囲を探索し「第二の地球」の発見を目指している。宇宙には恒星よりも惑星が多いことを証明したのがケプラーの功績だ。ケプラーの観測対象が一角だったのに対しTESSは全天になる。TESSは赤い星の生命のある惑星を探し続けるという。地球上の全砂の中の一粒に匹敵する第二の地球を見つけるかもしれない。正月早々夢のある話だ。

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トップの責務

日本と韓国の関係がギクシャクしている。日本の経済水域で韓国の駆逐艦が日本の哨戒機にレーダーを照射したという事件は、未だに両国の押し問答が続いている。真相は、韓国が国際法に違反して北朝鮮船を救助したのを目撃されたため、日本の哨戒機を追い払おうと照射したようだ。韓国が「ご免」と言えば済んだのに、これ程拘るのはそれなりの裏の理由があるからだろう。自民の一部は韓国に制裁を加えると息巻いていて鎮火する気配が見えない。また、徴用工の訴訟問題で、日本企業の資産が差し押さえられる可能性が高まり、政府は対抗措置策定の準備を始めた。徴用工問題は1965年の日韓請求権協定で決着している。韓国政府が徴用工に補償すれば解決する問題だ。だが、現実的には韓国最高裁が判決を下し、韓国政府は口を閉ざしたまま。河野外相も毅然とした対応を取ると息巻いている。これらのもめ事が一向に収まらないのは何故だろう。今の日韓間には橋渡し役となる人物がいない。この程度のもめ事はトップ同士が腹を割って話し合えば落とし所は見つかるもの。安部も文も己の責務を果たしていないということだと思う。

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テニスの初打ち

テニスクラブの初打ちは例年3日だが、我が家は子供一家が集まるので参加は出来ない。会員は3日に、常連ビジターは4日に殆どが初打ちをしたようだ。従って、今日が我が家の初打ちになった。1週間ぶりに会うテニス仲間の顔が懐かしい。皆生き生きと晴れ晴れしい顔をしている。良い年を迎えたのは顔を見るだけで分かる。今日の自分のテニスは頗る調子が良かった。思いの外、足が良く動く。2勝1敗。ゴルフのため少し鍛えた体力のためかもしれない。ジャンプをする直前に足を縮める。縮めなければジャンプは出来ない。冬の寒さは、まだまだ続く。この寒さのあるうちに、もう少し体を鍛えておこうと思う。今年は、テニスもゴルフもささやかなジャンプが望めそうな気配がする。

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化学の威力

年末の大掃除で手が荒れ、鼻炎も酷くなった。指先に繊維が引っかかるようになったとカミサンに言ったら、これを付ければ良いと教えてくれた。オムニサンスというクリーム。付けると、あ~ら不思議、手の荒れが一発で治った。化学屋の第一感として、尿素とタルクが配合されているなと思った。だが、成分表には聞いたこともない化学物質の名前がズラリと書いてある。化学物質の組み合わせの妙らしい。鼻炎が酷くなると、水っ洟が止まらず、小半時にティッシュを1ケース消費するほどになる。今まで薬を使ったことはなく症状が治まるのをひたすら待っていた。でも余りに酷いため、初めて市販薬を使うことにした。パブロン点鼻。その効果が凄い。あっと言う間に水っ洟とクシャミが治まった。鼻が通り極めて快適だ。普段は滅多に薬に頼らない。自然に治るまでジッとしている。それだけに化学の威力を感じた一日だった。

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箱根駅伝の改革を

東海大学が箱根駅伝で悲願の総合初優勝を飾った。大会新記録を樹立した選手たちも凄いが、両角監督はもっと凄い。7年前に佐久長聖高校から東海大に移ったが、その後の東海大の活躍は目覚ましい。指導者として優れていることは実証されたが、更に優れたものを持っている。普通の監督であれば、自チームの育成だけに目が行きがちだ。だが、両角監督は違う。箱根駅伝を更に発展させる手段を考え提案している。一つは、スタートとゴール地点を読売本社前から東京ドームに移すこと。読売本社前は手狭で纏まったセレモニーが行いにくいし、交通規制で迷惑をかける。ドームに移せば、各校の応援団が一堂に集まり盛大なセレモニーが行える。寒くないから多くのファンが集まりパブリックビューイングで盛り上がる。あと2つは、関東学生陸上競技連盟からの援助金増額と関東学生連合のユニフォーム統一化。箱根駅伝は正月の風物詩として巨大化しているが、大学はその恩恵を受けていない。各校に一律200万円が支給されるだけ。学生たちは手弁当で練習に励んでいる。主催者はもっと選手の育成を援助してほしいという内容。このような提案は本来日本陸連がすべきものだ。しかも、両角監督が提案しても日本陸連は動かない。どうやら日本陸連の改革・刷新が先決のようだ。

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120歳から150歳に

正月だからお目出度い話を一つ。ヒトの最長寿命が120歳から150歳になるかもしれないという話。120歳説の根拠は曖昧だ。フランス人女性が122歳まで生きた事実に基づいているという。理論的な結論ではなく結果論なのだ。理論的には染色体の両端に付いているテロメアが分裂の度に短くなり、限度を超えると細胞の老化が始まり死に至ると言われている。ところが、老化を防ぐ研究が進んでいる。最近の研究で、老化を遅らせ、寿命を延ばす「長寿遺伝子」の存在が明らかになったとのこと。この遺伝子は誰もが持っている酵素だが普段は細胞の中で眠っている。この酵素が働き出せばテロメアの劣化が抑えられる。ポイントは、この酵素のスイッチを如何にオンにさせるかだ。一つは生活習慣。肥満を解消し、タバコをやめ、赤ワインを飲み、運動を積極的に行えばテロメアの長さを保つことが出来る。もう一つは米ワシントン大学の今井教授らが発見した酵素の働きを保つ生体物質NMN。マウスでの効果を確認し、ヒトでの研究を進めている。日経が若手研究者らに尋ねた結果「ヒトの寿命は150歳まで延びる」との答えが最も多かったとのこと。健康寿命が延びピンピンコロリとなれば皆が幸せになる。150歳は、もう、すぐそこまで来ているようだ。

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改元の年

今年は天皇陛下の生前退位により元号が変わる。「平成」は歴史上256番目で長さは4番目。明治以前は事ある毎に改元されていたが、明治以降一天皇一元号になったから当然と言えば当然だ。昭和が終わる時「平成」「修文」「正化」の3つの中から選ばれたとのこと。「平成」の出典は史記と書経で「内平かに外成る 及び 地平かに天成る 国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味だったとか。平成が終わる年に初めて知った。新元号に関する法的基準はないが、閣議報告の「元号選定手続き」に大雑把なルールが書かれている。漢字2文字。書きやすく読みやすい。過去に使われていない。この他にも、イニシャルがダブらないことや、1文字15画を上限という縛りもあるとか。256個の元号を眺めていると、平成の次が見えてくような気がする。さて、4月にはどのような元号が発表されるのだろうか。

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