片手落ちの文科省

東京医大の不正入試問題を受け、文科省は大学入試で性別や年齢などの属性を理由に不利な扱いをしたり、成績順に従わず特定の受験生を合格させたりすることを禁止する方針を明らかにした。当たり前と言えば当たり前なのだが、何か違和感を覚える。この方針が大学入試の問題を抜本的に解決するとは思えないからだ。東京医大が何故不正をしたのかの対策になっていない。単に不正を防止するだけに留まっている。だから本当の解決策ではない。真の問題は、日本の医療体制が崩壊の恐れにあることだ。将来女子が男子と同等の医師の仕事が出来るようになれば何の問題も無いが、今はそのレベルには至っていない。だから医学界は男子を優先している。文科省が第一にすべきことは、他にある。更に文句を言えば、公立と私立を分けて考えるべきだと思う。公立は公費で賄っているのだから入試も公平であるべきだろう。しかし私立は違う。尊重すべき各校独自の目的や校風がある。中には「男子(または女子)学生を優遇する」私立大学もあってしかるべきものだ。一律に公平性だけを規制する文科省の方針は片手落ちというものだと思う。