仏の新幹線TGVが超混んでいる

仏の新幹線TGVの慢性的な混雑が深刻になっているという。乗客が増えているのは、地球温暖化対策への意識が高まり、温室効果ガスの排出量が少ない鉄道を選ぶからだ。EUは温暖化対策として鉄道を重視しており、今後10年間で域内の高速路線を2倍に拡大する目標を立てている。ところが、TGVを利用したい人の2割が座席予約を取れず利用を諦めていると推定されている。TGVの車両が足りないのだ。原因は2つある。1つは、仏アルストム社が製造するTGV―Mと呼ばれる新型車両の工期の遅れだ。新型車両は革新的な蓄電装置を備え、へき地で電力供給が停止した時などに、数十キロ離れた駅まで照明や空調を維持したまま、低速走行できる性能が加えられた。だが、製造に手間取っている。技術が地に着いていないのだ。もう1つは、仏国鉄の判断ミス。2010年代に耐用年数に満たないTGV100編成を廃棄処分にしてしまったのだ。格安航空会社やバスが主流になると見間違ったからだ。仏国鉄は仕方なくTGVの耐用年数を従来の30年から40年以上に延長する方針で、需要増に応えられる車両の確保に躍起になっているとのこと。一方日本では原発の運転期間を40年から60年以上に変更してしまった。どちらも事故を起さないと良いのだが。