「戦」と「進」と「孤」

日本漢字能力検定協会が募集した今年の漢字の1位は「戦」だった。ウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射などにより「戦」争を意識した1年であった。また、円安・物価高・電力不足や感染症など、生活の中で起きている身近な「戦」いもあり、サッカーW 杯や北京冬季五輪での熱「戦」もあった。今年の漢字に「戦」が選ばれたのは、的を射ていると思う。一方で、岸田首相は「進」を選んだとのこと。その理由として、悪質な献金被害の救済新法や防衛力の抜本強化、新しい資本主義の具体化などを、一つ一つ進めているからだと言う。しかし、救済新法は骨抜きとなり救済の役には立ちそうもない。防衛費の倍増を指示しただけで、防衛力強化の中身は無い。新しい資本主義に至っては、未だに実態が見えてこず、念仏のようなもの。どのツラ下げて「進」を選んだのだろう。全てが的外れだ。あえて好意的に見れば、せめて進んでほしいという思いで「進」に願いを託したのかもしれない。でも、願いで政治は進まない。岸田政権はドミノ辞任で風前の灯火だ。岸田を支える周りのスタッフも居なくなった。岸田が選ぶべき今年の漢字は孤立・孤独の「孤」だと思うのだが。