政治家の傲慢さ

戦後策定された憲法の第1章第1条には「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」として規定されている。第2条では「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とある。今上天皇は、憲法に忠実に従い日本の象徴として公務を果たされてきたと思う。その今上天皇が恒久的な退位制度を望んでいる。国民の7割もが恒久的な制度での退位を願っている。これが事実だ。本来であれば、国民の7割の総意で、皇室典範を書き換えるのが筋だと思う。だが、安倍政権は有識者会議という目眩ましを噛まし、恒久的ではなく、一時的な特別法で1代限りの退位に終わらせようとしている。その方が天皇という地位を利用し戦前の悪用体制を築き易いからだと思う。しかも最も問題なのは、天皇の国民への思いやりの仕草を茶化したことだ。だから右翼である安倍は決して天皇を崇拝している訳では無いことが分かる。ただ利用しているだけなのだろう。憲法も天皇の存在も無視した行為と言える。更にダメ押しとして、2019年1月1日に皇位継承として新元号に変えるとのあやふやな情報をリークした。すかさず、宮内庁は、1月1日は重要行事が続くため無理だと、既成事実の取り崩しをはかった。政府が、永々と続く皇室行事を無視するのも程がある。これも天皇制度無視そのものだ。だが不思議なことに右翼が反応しない。右翼とは天皇を高くかつ遠きに置いてその権力を悪用する輩とも言える。そう考えると納得できる。更に、民進党の野田はどさくさに紛れ女性宮家の再議論をと言い出した。男系相続は継体天皇から現在の天皇まで1500年も続いている。歴史というものには重みがある。今上天皇が、自分の代で途切れることを望むはずが無い。これも天皇無視だ。振り返って、自分はノンポリだ。右翼でもないし、左翼でもない。ましてや天皇制に関する意見も無い。だが、今の政治家には天皇に対する傲慢さが目立つ。今上天皇は、唯々政治家に翻弄されているのが現実だと思う。助けられるのは、国民の声しか無いと思う。