農水省のまやかし

農水省が海外の日本食レストランが前年比1.6倍になったと発表した。195の在外公館が現地の電話帳やインターネットで調べた調査結果だ。アジアが5割、北米が2割で年率10%の伸び率だ。和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、日本食への関心が高まったことが一因だと農水省は自慢げに言っている。数字は凄いと思うが、理由は本当なのだろうかとも思う。誰しも海外での滞在時間が長くなると日本食が恋しくなる。やっと見つけた和食店に入ると、殆んどが中華料理のなんちゃって和食店でがっかりする。勿論これぞ和食という店もあるようだが、そんな店は高過ぎてお呼びでない。結局和食とは言いながら、伸びているのは吉野家やすき家のチェーン店だ。だが、これらのチェーン店は、和食と言えば和食だが、和食とは言い難い。一方無形文化遺産に登録されるまでとは行かなくても、和食というジャンルは存在している。普通の日本人は、そのジャンルを和食として認識している。でも農水省は吉野家を日本食レストランとして認定しているようだ。農水省は単純に「日本食」の意味を履き違えしている。健康的でバランスの良い和食を、世界に広めるべきだと思う。だが足枷がある。「外人には和食の調理師免許を与えない」という差別だ。だから、本物の和食は日本人調理人しか出来ないので海外では希少価値になってしまう。まずは外人に対する和食調理師の門戸開放が先決だ。