10歳の壁

最近自分の愛読書に仲間入りした本がある。「大人のほうがてこずる算数1日1問:有田八州穂:すばる舎」だ。愛読書といえばシリーズ物を読み続けるとか、一冊の本を繰り返し読み直すとかするのが普通だが、この本は違う。タイトルの1日1問が表す通りなかなか前に進めず読み解くのに時間がかかるので、いつも自分のそばにある。一種の愛読書には違いない。この本の内容は、カラダ感覚で算数に接し算数嫌いの小学生に「自分で解く」喜びを味あわせながら算数を身に付けさせようという狙いで、1年から6年までの各学年向けに問題が設定してある。小学生の算数は4年から急に難しくなるので「10歳の壁」と言われており、この学年を境に算数の得手不得手が分かれるそうだ。自分は4年生の1問を解くのに3日もかかってしまった。勿論1日中取りかかっているわけではないが、数十分間集中して考えても3日かかったということだ。例えば「フォアフォアズ」という問題「4という数字を4つ使って、間に+、-、×、÷、( )の記号を入れて、答えが0~10までの数を作ってください。44のように使ってもかまいません。」。こういう問題を考えるとオデコの裏の前頭葉が刺激され頭の中がハッカのようにスウーッとしてくる。久し振りに頭が刺激されたためか、夢の中にもこの問題が出てきて、答えの5は朝目が覚めた時に解けた。この調子でいくと、この本はあと1年は愛読書の座に居座りそうな予感がする。