ギリシャの行方

ギリシャの連立政権協議が案の定難航している。パプリアス大統領が調整に乗り出したが、第7党の民主左派が強く反対したため政治家内閣は断念し実務者内閣を検討することになった。これもうまくいかなければ再選挙となり、第2党の急進左派連合が第1党になると見られている。そうなると財政緊縮策反対でユーロ離脱の一本道だ。しかしギリシャ国民の8割は、財政緊縮策反対だが同時にユーロ離脱にも反対だ。本来政治家というものは、ぎりぎりの線で妥協し実利を獲るのが腕の見せ所だが、その見通しは暗い。真の危機状態下では政治家は機能しないので、何の柵もない実務者から成る内閣を樹立し国民に財政緊縮策とユーロ継続を納得してもらう道が今のベストの選択だろう。ギリシャはイタリアのモンティ政権を見習うべきだと思う。だがもし、実務者内閣不成立となれば再選挙となる。再選挙の争点は財政緊縮策の賛否ではなく、ユーロ継続/離脱にすべきだ。ギリシャ国民にとって最も過酷な状況の選択が行われれば、後はそれなりに妥協出来るものだ。