神の粒子

学生時代に量子力学や量子化学を学んだが、未だに素粒子のことはさっぱり分からない。勿論アインシュタインの相対性理論も自分にとっては「バカの壁」の外だ。宇宙は137億年前に誕生したそうだが、現在の素粒子物理学の理論では、宇宙はビッグバンにより誕生したとされている。細かく見ると、ビッグバンにより生成し光速で飛び回っていた素粒子がヒッグス粒子の空間で質量を得ることによって宇宙が形成されたとされている。物質や宇宙の成り立ちを説明する標準理論を構成する素粒子の中で、唯一存在が実証されていないのがヒッグス粒子だ。存在が確認されれば標準理論が事実上完成するとのこと。ヒッグス粒子は「神の粒子」と呼ばれている。その「神の粒子」の存在が今まさにCERNの浅井祥仁東京大准教授を含む日本人100人が参加する実験グループ「アトラス」により確認されようとしている。「神の粒子」とはレオン・レダーマンの本のタイトル「The God Particle: If the Universe Is the Answer, What Is the Question? 」に因んでいる。イギリスではヒッグス・ポテンシャルの形がシャンパン・ボトルの底とそっくりなので「シャンパン・ボトル・ボソン」と呼ばれているらしい。確かにノーベル賞ものの発見かもしれないが、宇宙の9割以上は何も解ってはいないのが科学であるということを戒めに、今後もあらゆる面で謙虚な科学探求が求めらるべきだと思う。